利尿剤を使うと血圧は下がるの?

「何で尿を出すことで血圧が下げるの?」
「水分量と血圧は何の関係があるの?」

病院で高血圧と診断された人の中には治療に利尿剤が用いられる場合があります。
これは、利尿剤で尿を身体の外に排出するときに、高血圧の要因となるナトリウムを尿と一緒に出すことで血圧を下げる狙いがありますよ!

この記事では高血圧の治療に利尿剤が使われる理由や注意点についてご紹介します。

そもそも利尿剤とはどんなものなの?


利尿剤は尿の量を増やして身体から余分な水分の排出を促進させる目的で使用される薬のことです。

浮腫が見られる疾患や膀胱炎、心不全・高血圧の治療にも用いられる場合もあります。
利尿剤といっても、成分や排出までの作用は様々あり、カリウムを多く含む利尿剤やカリウムやナトリウムといった電解質に影響を与えない利尿剤も存在します。
疾患や患者の体質によってはカリウムが禁忌とされているものがあるので、患者の状態によって医師の判断により利尿剤の種類が決められます。

また、稀ではありますが、副作用に女性化乳房(乳房が張ること)や聴覚障害が見られるケースもあるようです。

高血圧の治療に利尿剤が使われる理由


高血圧の場合だと、利尿剤で水分が身体の外に排出されるからかえって塩分の濃度は高くなるのでは・・・?と心配になってしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、利尿剤が高血圧の治療に使われるのは、塩分を多く摂ったときの身体の中の様子を思い浮かべるとイメージしやすくなるかもしれません。
塩分の高いものを食べると、身体の中の浸透圧(身体の一定の塩分濃度)を保とうと水分が増えます。
そのときに余分になった水分は体外へ尿となって排出されますが、その際に多くの尿を出すために心臓のポンプ機能によって血液を送り出します。
このポンプ機能が強く働くときに血圧は上がります。

そのため、利尿剤を活用することで利尿作用によって身体の余分な水分が排出されるため血圧を下げる効果が期待出来ます。

利尿剤が高血圧の治療に使われるのは、心臓の負担を減らして余分な水分を体外に排出させる目的である場合がほとんどです。

浸透圧のしくみをイラスト図解で分かりやすく説明

自分で判断して使用していいの?


利尿剤はドラッグストアで手に入るものもありますが、高血圧の治療を目的に利尿剤を使う場合、必ず医師の診断を受け、自己判断で利尿薬を購入するのは辞めましょう。

利尿剤には種類があり、成分の中には高血圧やその人の持つ疾患にとって禁忌とされているものもある可能性もあります。
単なる高血圧ではなく、何かの疾患と併発している場合もあるので、自己判断は避けておくべきです。

こちらの記事でも、高血圧の人が食事を摂る上で気をつけるべきポイントをご紹介していますので、是非チェックしてみてくださいね。

高血圧の人は納豆を食べて良いの?絶対に食べてはいけない人とは

まとめ


いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事のおさらいです!

  • 高血圧の治療に利尿剤が用いられる場合がある
  • 利尿剤で尿を身体の外に排出するときに、高血圧の要因となるナトリウムを尿と一緒に出すことで血圧を下げる狙いがある
  • 利尿剤は尿の量を増やして身体から余分な水分の排出を促進させる目的で使用される薬のこと
  • カリウムを多く含む利尿剤やカリウムやナトリウムといった電解質に影響を与えない利尿剤も存在し、医師の判断でどれを用いるかが決まる
  • 副作用に女性化乳房(乳房が張ること)や聴覚障害が見られる稀なケースもある
  • 利尿剤が高血圧の治療に使われるのは、臓の負担を減らして余分な水分を体外に排出させる目的である場合がほとんど
  • 高血圧の治療を目的に利尿剤を使う場合、必ず医師の診断を受け、自己判断で利尿薬を購入は行ってはいけない
  • 利尿剤には種類があり、成分の中には高血圧やその人の持つ疾患にとって禁忌とされているものもある可能性もある

尿を出すことで、身体の水分が減るのでかえって血圧が高くなるのでは?と思われる人もいるかもしれませんが、利尿剤により高血圧を治療する理由には上記のものがあります。

身体の仕組みや、治療の目的を把握しておくことで普段から何を意識するべきなのかも明確化することにも繋がります。

身体の中ではどんなことが起こっているかについても目を向けながら、改善を目指しましょう!

投稿者:

血圧さん

平成に栄養士免許を取得。来年から人間ドックデビューの夫と2人暮らし。高血圧気味の夫との食事や運動について綴ります。