高血圧網膜症と診断されたら?

「高血圧と目の病気は何か関係があるの?」
「高血圧網膜症はどんな病気?診断されたらどうなるの?」

高血圧には自覚症状がなく、気が付いたときには重大な合併症が引き起こされていることが多いことから、サイレントキラーと呼ばれています。
動脈硬化や心不全が高血圧と関連する病気として有名ですが、高血圧の影響は目にも表れます。

高血圧網膜症はその中のひとつで、放っておくと視力の低下をも引き起こします。
今回は高血圧網膜症について解説しながら、診断されたときにどのように指導されることが多いのかについてもご紹介します。

高血圧網膜症とは

高血圧が原因で生じる目の病気の中でも代表的なのが高血圧網膜症です。

高血圧になると、網膜に走っている毛細血管がダメージを受けたときには眼球の中での血流に影響が出ます。
最初に、毛細血管の損傷を受けて血管の壁が分厚くなります。
この変化を受けると、分厚くなった血管の壁によって血管の内側が狭まり、網膜への血液の流れが悪くなってしまいます。
そうなると、栄養が送れなくなるので目の機能にも影響が生じてしまいます。

高血圧網膜症と視力


高血圧網膜症は、初期の場合では自覚症状はほとんどありません。

この疾患によって網膜に血液が送れなかったところだけに損傷が見られると、はじめに点々と部分的に症状が見られる場合もあります。
段々と病気が進行していくにつれて網膜の中に血液がにじみ出してきたり、血管のむくみが生じ、視力が落ちる原因になります。

また、視力の落ち方は網膜のどの部位に損傷が起るかにもよってスピードが異なってきます。
特に、網膜の中心部分に位置する黄斑に高血圧網膜症の影響による損傷が起ると、視力の低下が比較的早くなってしまいます。

また、喫煙者は特にリスクが高い傾向があるので注意が必要です。
こちらの記事では高血圧と喫煙の関係について解説していますので、是非チェックしてみてくださいね!

タバコと高血圧の関係

タバコと高血圧の関係

高血圧網膜症と診断されたらどうなるの?


高血圧網膜症と診断された場合には、他の病気が隠れている場合があります。
高血圧はこの疾患だけでなく、脳出血や動脈硬化など命に関わる様々な病気の原因になり得ます。

よって、この疾患の場合もほとんどのケースで高血圧の指導が入ると思っておいて良いでしょう。

また、高血圧網膜症が進行している場合はレーザー光凝固術によって進行を抑える治療法もあります。
しかし、これは視力回復のために行うものではなく、病気の進行を止めるために行われるものです。
進行度合いによっては1回のみの治療ではなく、何度かかかる場合もあるので長期的に治療する必要があると念頭においておく必要がありますよ!

#ゴロー #解剖生理
眼の構造と働き(遠近調節、散瞳と縮瞳、網膜の仕組み)

まとめ


いかがでしたでしょうか?
最後のこの記事のおさらいです!

  • 高血圧の合併症として高血圧網膜症が挙げられる
  • 高血圧で網膜の血管の内壁が分厚くなって、血管の中が狭くなることで血液の供給に悪影響を及ぼす
  • 段々と病気が進行していくにつれて網膜の中に血液がにじみ出してきたり、血管のむくみが生じ、視力が落ちる
  • 網膜の中心部分に位置する黄斑に高血圧網膜症の影響による損傷が起ると、視力の低下が早くなる
  • 高血圧網膜症は、初期の場合では自覚症状はほとんどない
  • 高血圧網膜症は喫煙者は特にリスクが高い傾向がある
  • 高血圧は脳出血や動脈硬化など命に関わる様々な病気の原因になり得るため、治療の際に高血圧の改善のための指導があるケースがほとんど
  • 高血圧網膜症が進行している場合はレーザー光凝固術によって進行を抑える治療法がある
  • レーザー光凝固術は視力の回復が目的のものではなく、あくまで病気の進行を止めるためのものである

高血圧が原因となる病気は動脈硬化や心臓病のイメージが先行しがちですが、視力をも失う危険のある病気も併発する恐れがあります。
自覚症状がないだけに、日々の生活習慣が重要に関わってくるものなので、高血圧と診断される前からも予防に努めることが大切です。

生活習慣病予防のために、少し遠回りして通勤することや、軽いサイクリングを趣味として取り入れるなど、運動習慣をつけることもおすすめです。
こちらの記事ではウォーキングとダイエットについてご紹介していますので、是非参考にしてみてくださいね。

【骨格ストレートのダイエット】ウォーキングの効果とおすすめの理由をご紹介

投稿者:

血圧さん

平成に栄養士免許を取得。来年から人間ドックデビューの夫と2人暮らし。高血圧気味の夫との食事や運動について綴ります。