【女性の高血圧】妊娠時高血圧症候群

「女性特有の高血圧ってどんなものがあるの?
「妊娠時になる高血圧はどれぐらい危険なの?」

一般的に女性よりも男性の方が高血圧の人が多い傾向があり、女性は低血圧の人が多いイメージがありますよね。

しかし、女性はライフステージごとに女性ホルモンのバランスが変化して、その影響が血圧(右下肢)に生じることがあります。
更年期や生理や妊娠時にはその影響を受けやすい傾向がありますよ!

今回は妊娠中の高血圧についてご紹介します。

女性特有の高血圧についてはこちらの記事でも解説していますので、是非チェックしてみてくださいね。

女性特有の高血圧

妊娠時高血圧症候群とは


妊娠してから発症する高血圧は妊娠高血圧症候群と呼ばれ、妊娠時特有の高血圧として代表的なものです。

妊婦の20人に1人の割合で発症するもので、早くに症状が見られた場合には重症化のリスクが高い傾向がありますよ!

重症化すると母親だけでなく、胎児の発育などにも影響がある大変危険な高血圧です。

妊娠時の高血圧には2種類あり、ひとつは元々高血圧の人が妊娠するもの、もともと血圧が正常の人が妊娠20週以降、あるいは分娩12週間前までに発症する高血圧があります。
前者は高血圧合併妊娠、後者は妊娠時高血圧症候群と呼ばれます。

妊娠時高血圧症候群は出産後には血圧が元に戻ることがほとんどですが、妊娠時の検診を欠かさず、日々の体調の変化にはやく気付くことで重症化や発症を防止することに繋がります。

妊娠時高血圧症候群になるとどんな危険があるのか

胎児への影響

妊娠時高血圧症候群になった場合、お腹の中の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼし、発達不全になる場合があります。
また、胎盤が出産の前に子宮から剥がれてしまって胎児に栄養が届かなくなる常位胎盤早期剥離にも繋がります。

これらの悪影響は最悪の場合死亡する可能性もあります。

重大な合併症を引き起こす場合がある

けいれんや脳出血、肝臓や腎臓といった内臓疾患を合併症として引き起こす可能性があります。
もともと基礎疾患のない人にもこれらの症状が伴うことがあるのもこの高血圧の特徴です。

一般的な高血圧に見られる浮腫も妊娠時高血圧症候群でも見られます。
その他の合併症は下記の通りです。

  • 脳出血(くも膜下出血)
  • 可逆性白質脳症
  • 高血圧緊急症
  • HELLP症候群

【助産師HISAKO】高齢・高血圧ですが次の妊娠を望んでもいい?胎盤早期剝離で死産の過去【高齢出産 妊娠高血圧症候群 胎盤早期剥離 妊活 リスク】

まとめ

いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事のおさらいです!

  • 高血圧は男性の方が多い傾向があるが、女性特有の高血圧や、高血圧になりやすいタイミングもある
  • 女性ホルモンの影響がきっかけで血圧が高くなる場合がある
  • 生理や妊娠、更年期において女性の血圧が変動するケースもある
  • 妊娠時の高血圧には2種類あり、ひとつは元々高血圧の人が妊娠するもの、もともと血圧が正常の人が妊娠20週以降、あるいは分娩12週間前までに発症する高血圧がある
  • 妊娠時高血圧症候群になった場合、お腹の中の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼし、発達不全になる場合がある
  • 妊娠時高血圧症候群はけいれんや脳出血、肝臓や腎臓といった内臓疾患を合併症として引き起こす可能性がある

高血圧自体は自覚症状のないものの、妊娠時高血圧症候群は重篤な合併症や胎児の生死に関わる疾患です。
本人が疾患について理解するのはもちろんのこと、身近に妊婦がいる場合はこういった危険がある可能性を理解してサポートすることも大切なことです。

【女性の高血圧】生理と血圧の関係

「女性特有の血圧ってどんなものがあるの?」
「月経と高血圧って何か関連はあるの?」

更年期に血圧が大きな変化を受けやすいように、女性ホルモンと血圧には深い関係があります。
今回は、生理と血圧の関係について解説します。

更年期と高血圧についてはこちらの記事でもご紹介していますので、是非チェックしてみてくださいね。

【女性の高血圧】更年期障害と高血圧

【女性の高血圧】更年期障害と高血圧

生理中に血圧が上がるって本当?


女性は生理前後に血圧が上がりやすくなります。
これは、女性ホルモンのエストロゲンの持つ血管の柔軟性を保ち、拡張させたりする働きが生理中の身体のリズムの変化に影響が出ることも要因の一つとして考えられます。

また、多くの女性の悩みの種である、生理前症候群(PMS)で気持ちが敏感なときにストレスを受けることで血圧に変化が生じる場合がありますよ!
生理中は自律神経のコントロールが難しくなりがちなので、血圧を上昇させたり心拍数を高めたりする交感神経が優位になりやすい傾向があります。
この影響を受けることでも普段よりも血圧が高くなることも覚えておきましょう。

生理前の空腹で塩分の高い食べ物を食べ過ぎないことも気をつけておく必要がありますよ!

ひどいPMSを放っておくと高血圧のリスクにもなる


「生理中は人が変わってしまうと言われるぐらいPMSが酷い・・・」

「毎回の月経の前後の倦怠感や頭痛で仕事も出来ない・・・これって病院に行くべき?」

生理前後や生理中は身体に様々な変化が起こります。
PMSの傾向が強い女性は、PMSがほとんどない人と比べて高血圧の発症のリスクが1.4倍ほど高いというデータがあります。
これはアメリカの研究機関が1,000人以上の女性を対象に研究を行い、6~20年間追跡して高血圧の発症リスクを調べたものです。

その結果、PMSが強く出る女性は40代前後で高血圧を発症する人が多かったことが結果としてデータが得られたようです。

現在PMSが強い人は日頃から、適度な運動やストレスケア、睡眠の質の向上などの生活習慣を見直すことでPMSがもたらす高血圧を防ぐことにも繋がると言えます。

生理痛・PMSを改善する3つのコツとは!?【婦人科女医が解説】

また、身体が冷えているとPMSが強く出やすい傾向があるので、身体を温めることも意識しましょう。

生理中に筋トレしても良いの?注意点とメリットについて

まとめ


いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事のおさらいです!

・更年期に血圧が大きな変化を受けやすいように、女性ホルモンと血圧には深い関係がある
・女性は生理前後に血圧が上がりやすくなる
・女性ホルモンは血管の柔軟性を保ち、拡張させる働きを持っている
・生理中の身体のリズムの変化に影響が出るため、血圧にも変化をもたらす場合がある
・PMSで受けるストレスでも血圧が高くなりやすくなる
・自律神経のコントロールが難しくなりがちなので、血圧を上昇させたり心拍数を高めたりする交感神経が優位になりやすい傾向があり、血圧が高くなることもある
・PMSの傾向が強い女性は、PMSがほとんどない人と比べて高血圧の発症のリスクが1.4倍ほど高いというデータがあり、特に40代前後で発症する傾向がある

今回は生理と血圧についてご紹介しました。
女性は妊娠や閉経などのライフステージごとに、女性ホルモンの変化が身体やメンタルに大きく影響を受けます。
その他の女性特有の高血圧についてはこちらの記事でも解説しています。

女性特有の高血圧

女性特有の高血圧

大きな変化に心身ともにダメージを受けないためにも、まずはこれから起こりうる身体の変化について知ることも大切なことです。
是非、知識も備えておきましょう!

【女性の高血圧】更年期障害と高血圧

「まもなく閉経だけれども、更年期障害になると高血圧になるって本当?」
「更年期はなぜ高血圧になるリスクが高いの?」

閉経前後の45歳から55歳までを更年期と呼び、この時期は女性のライフステージの中でもホルモンバランスが大きく変わる年齢でもあるので、身体に様々な変化があります。
その影響で生じる心身の不調は更年期障害と呼ばれます。

不眠や肩こり、イライラなどの代表的な更年期障害の症状の中に、高血圧も挙げられます。
これまで血圧が低めだった人でも更年期をきっかけに高血圧になったという人も少なくはありません。

この記事では更年期障害と高血圧の関係についてご紹介します。

女性特有の高血圧についてはこちらの記事でも解説していますので、是非チェックしてみてくださいね。

女性特有の高血圧

更年期障害とは


前述の通り更年期障害とは、閉経の前後である更年期(45歳~55歳まで)で起こる心身の不調を指します。
閉経により卵巣の働きが弱くなり、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ることで生じます。

エストロゲンは生殖機能との関連だけではなく、身体の調節や自律神経にも関与しているホルモンです。
一般的には40代以降には徐々に分泌量が減少してくると言われており、閉経にさしかかるとガクッと分泌量が減る特徴もありますよ!

エストロゲンの分泌量が減ることでのぼせやほてり(ホットフラッシュ)、発汗、倦怠感やうつ、脂質異常症や骨量減少などが生じます。

ホットフラッシュに効くツボと改善方!4大タイプを解説【漢方・東洋医学】

更年期に高血圧になる理由


更年期障害ではエストロゲンの欠乏により様々な不調が生じます。
そのため、エストロゲンが少ないことにより血圧をコントロールしている自律神経の働きが弱くなり、高血圧になるリスクが高くなります。

また、更年期に見られるイライラやストレスも高血圧を引き起こす要因です。

イライラしたり、不安を感じたりすると、自律神経のうちの交感神経が反応します。
交感神経の働きが活発になると、興奮状態になり、血管が収縮するので血圧が上がります。
本来は自律神経が交感神経を制御していますが、更年期にはホルモンバランスの影響を受けて自律神経がうまくコントロールできないので、この時期は特に注意が必要であることを意識しましょう。

ストレスと血圧は密接な関係があるので、ストレスの解消方法を見つけるのも心身を守るために大切なことです。

ストレスと血圧についてはこちらの記事でもご紹介していますので是非参考にしてみてくださいね。

高血圧の敵!ストレスと血圧の関係について

更年期は血圧が不安定になりやすい時期であることを念頭におき、減塩や運動に取り組み備えておく必要があります。
いきなりジムに通ったり、スポーツ教室に通ったりすることに抵抗がある方は、まずはウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。

こちらの記事では運動経験のない人にも比較的に取り組みやすい、軽い有酸素運動とそのメリットについてご紹介しています。
是非チェックしてみてくださいね。

【骨格ストレートの人のダイエット】有酸素運動が大切な理由

まとめ


いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事のおさらいです!

  • 閉経前後の45歳から55歳までを更年期と呼び、この時期は女性のライフステージの中でもホルモンバランスが大きく変わる年齢である
  • 一連の影響で生じる心身の不調は更年期障害と呼ぶ
  • 更年期障害は閉経により卵巣の働きが弱くなり、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ることで生じる
  • エストロゲンは生殖機能との関連だけではなく、身体の調節や自律神経にも関与しているため、更年期障害にはほてり(ホットフラッシュ)、発汗、倦怠感やうつ、脂質異常症や骨量減少などの症状がある
  • ストロゲンが少ないことにより血圧をコントロールしている自律神経の働きが弱くなり、高血圧になるリスクが高くなる
  • 更年期に見られるイライラやストレスも高血圧を引き起こす要因で、自律神経の働きが弱くなる時期は特に注意が必要
  • 血圧に影響の出やすい時期に備えて、普段から減塩や運動に取り組むことも健康管理のために大切である

身体や心に様々な変化が起こる更年期。
これまでずっと低血圧の人も、これから起こる身体の変化に注視して心身を労りましょう。

女性特有の高血圧

「高血圧は男性に多いイメージがある」
「女性はライフステージによるホルモンの変化があるけれど、血圧に影響はないの?」

高血圧と聞いて、女性よりも男性の方が多いイメージはありませんか?
確かに、実際には男性の方が多い傾向がありますが、女性特有の高血圧や、高血圧になりやすいタイミングもあることも事実です。

この記事では、女性特有の高血圧についてご紹介します。

女性特有の高血圧がある

女性ホルモンの影響がきっかけで血圧が上がることがあります。
そのため、生理や妊娠、更年期において女性の血圧が変動することがあります。

また、それだけでなくストレスや自律神経の乱れも血圧が高くなる原因にもなり得ます。
感情だけでなく、気候や環境の変化など敏感な人は特に気をつける必要があります。

生理前後は血圧が高くなりやすい


生理前後は、イライラや気分の落ち込み、浮腫や頭痛、食欲が高まったりと心と身体に様々な変化が現れます。

この時期は血圧が高くなるようなきっかけが起こりやすい特徴がありますよ!
例えば水分。
身体が水分を引き込もうとすることから浮腫みやすくなります。
そのため、血液中の水分が増えて血圧が高くなることも考えられます。

また、高血圧の原因になるストレスもこの時期に多くなりがちなので、身体を休めたり軽い運動に取り組んでリフレッシュすることも心がけましょう。

筋トレをしていると生理痛が酷くなる?生理中の運動のメリットもご紹介

妊娠高血圧症候群


妊娠してから発症する高血圧は妊娠高血圧症候群と呼ばれ、妊娠時特有の高血圧として代表的なものです。

妊婦の20人に1人の割合で発症するもので、早くに症状が見られた場合には重症化のリスクが高い傾向があります。
重症化すると母親だけでなく、胎児の発育などにも影響がある大変危険な高血圧です。

出産後には血圧が元に戻ることがほとんどですが、妊娠時の検診を欠かさず、日々の体調の変化にはやく気付くことで重症化や発症を防止することに繋がります。

更年期高血圧


閉経後から5~10年間を更年期と呼び、女性ホルモンの分泌が急激に減ることから心身に様々な影響があります。
動悸やイライラ、抑うつ、ほてりなども代表的な更年期に見られる不調として挙げられますが、これまで血圧が低かった人も更年期に高血圧になることも稀ではありません。

女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ると、交感神経の働きが活発になり、心拍数や血圧が高くなります。

[NHKスペシャル] 原因は“エストロゲン”!更年期を知り、みんなで理解し支える社会へ # みんなの更年期 | NHK
https://www.youtube.com/watch?v=oTEbUwcBJl0

また、子育ての終了や介護の開始などとライフステージにも変化の多い年代なのでストレスが溜まりやすいのもこの時期に高血圧を発症する原因のひとつです。

こちらの記事ではストレスと高血圧についてご紹介していますので、是非チェックしてみてくださいね。

高血圧の敵!ストレスと血圧の関係について

高血圧の敵!ストレスと血圧の関係について

まとめ


いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事のおさらいです!

  • 高血圧は男性の方が多い傾向があるが、女性特有の高血圧や、高血圧になりやすいタイミングもある
  • 女性ホルモンの影響がきっかけで血圧が高くなる場合がある
  • 生理や妊娠、更年期において女性の血圧が変動するケースもある
  • 生理前後は、心身に様々な変化が生じ、イライラや気分の落ち込みや浮腫などの影響で血圧が高くなりやすい場合がある
  • 妊娠してから発症する高血圧は妊娠高血圧症候群といい、重篤化すると胎児にも影響が生じる
  • 妊娠高血圧症候群は出産後に血圧が元通りになる場合がある
  • 閉経後から5~10年間を更年期と呼び、女性ホルモンの分泌が急激に減ることから心身に様々な影響があり、高血圧の発症も症状に含まれる
  • ライフステージの変化によるストレスも血圧に影響している

女性ホルモンの影響やライフステージの変化など、女性特有の体調の変化や環境においても高血圧を発症するリスクが隠れています。
高血圧はサイレントキラーとも呼ばれているように、前兆がないという特徴があります。

特徴がないものだからこそ、日々の心身の状態や変化を見逃さないことや、普段からの食事や運動などの健康管理を重視しましょう。